… プロローグ …


木漏れ日が、天井近くの小さな窓から入り込む。。
その眩しい日差しに手を掲げ、独り 影絵遊びの指が斑に動く。。。

真白き部屋は、姫御殿。。。
白い大きなベットに、白い家具。
窓は天井近くの窓だけだから、風に揺れるカーテンもブラインドも無い。

５段程、階段を上がるとドアがある。
鍵がかけられ、自由に出入りする事も出来ない場所。
生活するには、何不自由な事も無く、何でも揃っていた。

ただ･･･意思という自由は無い。。。って事だけ･･･
独り過ごす、静寂の時間の中で･･
そんな、真白き場所が 女の居場所。。。


ソレでも、逃げ出す事は考えもしなかった。。。
男に飼われる事に、諦めとは違う「変化」が育ったのかもしれない･･･
女を飼う男は、この真白き部屋から出す以外、
尽すように 何でも与えた。。。
人形を大事にする子供の様に･･･



＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾

『 天窓の標･･･１』


繁華街で、年を誤魔化し男をカモに小遣い稼ぎ。
そんな生活をしてた凪子。
スケベ親父や、オタクっぽい男の相手をしたり･･･
自分の食いぶち位は　カラダで稼いでた。。。


ある日、黒田と言う男に声を掛けられた。
「お小遣い欲しいの？」
「うん。アタシを買ってくれる？」
「君、家は？･･･」
「家なんて無いワ。施設育ちだしね。。。」

「ねぇ、取りあえず今晩泊まるトコが欲しいんだけど･･･」
「アタシを買ってくれる？」

「んん～ﾝ･･･泊まるトコが無いならウチに来てもイイよ。」
「部屋ならあるから･･･」

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