段々と頻度が増えていった。
電話でカラダの欲求を満たす。

リアルに温度を感じたい･･･当たり前の欲望。
抱いてkissして･･･寒さで凍える奥底の女を暖めて･･･

でも、アタシにはソレは出来なかった。
意気地なしのチキン･･･
のめりこみ易い自分をセーブした。

いつか、この男も飽きてくる。。。きっと･･･
飽きたら･･･飽きられたら･･･
そんな事を思いながら、また悶えにカラダをのせる。

想像と妄想の中に自分を置いて隙間を埋め･･･
淫らに溶けるアタシがいる。
コレが、リアルとのバランスが丁度イイ。。。



月に数回、ひとりの夜がある。
そんな夜は、ひとり眩しい闇に出て行く。。。

誰にも干渉されず、細かい事など誰もクチにしない･･･
みんなワケありって事･･･

赤と青のライトが店の隅で灯る。
ぶつかり合う赤と青は、淫靡な扉が開くように
紫に色を変え　ソコだけ妙に引きつけられる。

馴染みの顔を見つけると、ハグで挨拶を交わし
今夜のお誘いを受ける。

馴染みの相手･･･アトを引く事はなく
一夜限りのベッドの相手。


でも、あの晩はちょっと違った。。。
妙に雰囲気のある男だった･･･
ドコか聞き覚えのある声。。。電話の声にも似てる。

物静かで、かと言って女に飢えてるって感じではない。

ポツポツと途切れるように喋る口調･･･嫌いじゃない。
ガツガツ攻めてくる男よりは、今のアタシにとって心地いい。


男　「いつも、何して遊んでるの？」そう聞いてきた。
アタシは　『電話で、エッチかな…』　そう、答えた。

男　「楽しそうだな･･･ソレ。。。」
クチ元に笑みを浮かべながら言った。

男　「今度は俺としない？」
私　「ダメ･･･顔が見えないからイイんだもの。。。」
男　「勿論だよ。。電話でエッチなんだから･･･。」
私　「もう、顔を知っちゃったからダメよ。。。」
男　「んじゃ、覚えられないように離れるよ。。。」

そう言って、席を離れ消えた･･･。


彼が席を離れ、姿が見えなくなった頃･･･
携帯が鳴った。

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