純子・・・君は元気でいるだろうか。。。
僕は、元気でいる。。。。。
ー始まりの時ー
純子の瞳から涙がこぼれ落ちた・・・
こぼれた涙を、指先で拭う隆志。
隆 「キスしても・・・いい?・・・」
純 「ぅん・・・・・・」
「好きになってもいいの?」
「好きになってはいけない人なのに・・・」
隆 「わからない・・・でも僕の気持に嘘はない・・・」
純 「私は大丈夫・・・私は強いから・・・」
「私は、あなたが好き。」
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純子とは・・・出逢って 1年余り・・・
気が知れ合う 二人のふざけ合う、そんな会話の中で
ところどころに本音が混ざる。
でも・・・お互いにあえて深くは追求しない。
いや・・・できないで、いた・・・。
触れたら爆発してしまいそうな、生殺しの感情を2人して押し込み仕舞い込んでいた。
心の中で希望と不安が混同している・・・
お互いに、お互いの気持を知らないふりをした演出をし合っていることを感じていた。
・・・惹かれあう想いを・・・・・・
映画を観た後、ある夜のこと・・・
僕が純子と、いつものように、たわいのない会話をして帰ろうとした時・・・
「僕はそろそろ帰るね、じゃあまたね・・・。」
「ねぇ・・・」
「・・・ん?」
「私、もうあなたと会わない」
「会わない?・・・どうした?」
「・・・・・・」
「あなたが帰った後、とても心が乱れるから・・・」
「乱れる?・・・」
「乱れるって・・・何か悪いことでも言った?」
「そうじゃない・・・」
「じゃあ・・・何で?・・・」
「・・・・・・」
「これ以上、あなたのことが好きになるといけないから・・・」
コレ以上、好きになっていいかわからないから・・・」
「あなたには奥さんがいるでしょ・・・」
純子からの精一杯の言葉。
その言葉は、僕の心の不安を一瞬にして打ち壊し、光が僕を包みこんできた。
今まで、ずっと心に閉じ込めていた感情が、溢れ出した。。。
そんな溢れる想いを、もう抑えることはできない。
僕はもう、自分の気持に嘘をつくことはできない。
僕は純子を抱きしめ、自分の想いを告げた。
僕は結婚している・・・だから純子を好きになってはいけない。
純子に辛い思いをさせてはいけないと思っていたから・・・言えなかった。
僕から言ってはいけないと、ずっと純子への想いを押し殺してきた・・・。
(僕が独り身だったら間違いなく・・・いや・・・戸惑うことなく
純子のことを好きになっていた・・・)
『 純子が・・・好きだ。。。』
クチから放った、その1つのセリフで、僕の心の鍵は開かれた。
純子を想う僕の心は、もう閉じ込めておくことはできない・・・
何のためらいもなく、純子と唇を合わせ・・・
きつく抱きしめながら純子の耳元で囁いた。。。
「純子を抱きたい・・・」
「ウン・・・・・・・・・。。。」
純子は消え入るような涙声と一緒に、僕の胸に顔を埋めた・・・
二人は、今以上の深い繋がりを求め・・・
抑えきれない欲望と共に「ホテル」へ向かった・・・。
2人の気持ちは、一致していた。
重なる場所など、どこでも良かったんだ。
このホテルだって・・・
最初に見つけたホテル・・・
そのくらい、突然きた衝撃だったんだ・・・
前から予測していたことなら、もっと、洒落たホテルを選んだと思う。。
僕は、純子を抱きたい。。。
純子は、僕に抱かれたい。。。
1つになりたい・・・
僕は、今まで、抑えてた気持ちのすべてを、吐き出すように
猛獣のように彼女を押し倒し・・・飛びかかる。
そんな、自分を想像していた。。。
でも、本当は違ったんだ。。。
まるで、もろいガラス細工にでも、触れるように・・・
優しく、丁寧に彼女に触れた。
うつむき加減の彼女の、頬に手を置き、クチビルを塞ぐように
僕は、優しいキスをした。。。
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