夜の仕事は頻繁にあるワケじゃないけど
汐里は、それなりに楽しんでいた。

中には、夫婦で楽しみたいとやって来る客もいた。
刺激が少なくなった夫婦。。。
そんな時は、こちらはお手伝いに専念。。。

シチュが違えば、淡々とした夫婦生活も１つの風が吹く。
そんな夫婦が羨ましくもあった。

男運が悪いと思っていた汐里は
ママに拾われた時、男から逃げた居た時期と重なり
自分の恋愛観など諦めていたから･･･


根は淋しがり屋の汐里。
昼の賑やかさも 夜の１人寝も苦手だった。

だから、時たま淋しさに包まれた時
夜の街に出て 気を紛らわせていた。。。


ホストクラブもメンキャバも、その寂しさを紛らわすのにちょーどイイ。
チャラいホストも、オベンチャラばっかりのホストも苦手。
偉そうなホストは、もっと苦手だけど･･･
でも、対価を払い、自分の居場所を確保できるのは都合がイイ。


顔見知りのホストはいるけど、決まったホストはいない。
金払いが良くて、面倒でない汐里はイイ客になっていた。

見習いの隼人。
何度か指名し、その度に汐里は隼人の膝枕で眠った。
そろそろ、指名客も付く頃、店に顔を出すと隼人は辞めていた。
膝枕の暖かさを頭に思い浮かべ　1人慰めの相手になってたのに･･･



折角、イイ膝みつけたのに･･･その時は ちょっと焦心した。


久しぶりに、客の依頼があった。
普段と違うモノを身に着け着飾り 仕事に向かった。
如何にも って言うラブホテルは使用しない。
だいたい、客がチョイスした指定ホテルだけど。。。


ホテルに入るとロビーで、知ってる顔を見つけた。
ホストの隼人だった。


顔を合わせないように、なるべく他の客とも遭遇し無いように気を配り
指定の部屋に向かう。
隼人はフロアーを歩く、が、汐里の行く方向と同じ所を･･･
先を歩く隼人は、汐里が指定された部屋に入った。

今日の客は「 隼人 」?



汐里はママに連絡し
今日の仕事は受けられないと断りの電話をした。

秘密裏の仕事。
私生活での知り合いは危険。
相手が隼人だからでなく、知ってる顔だからマズいと思ったからだ。

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