僕の部署は、新企画のプレゼンの準備で忙しく
僕は彼女の補佐をするように言われた。

ある晩、残業してた時
フロアーを出て、階段の隅に加賀谷さんが１人居た。
肩を丸め、背中が震えてた。


泣いてる。。。。


僕は、見てはいけないモノを見てしまったと･･･
素知らぬフリで部屋に戻り、続きの仕事をした。
仕事に戻った加賀谷さんも、いつも通りにテキパキと仕事をこなしていた。

数日後、進めた企画が通り 部署全員で打ち上げが行われ
先輩達は盛り上がり、かなり酔いも回り 賑やかな宴になっていた。


加　「片山君、知らん顔しててくれてありがとうね。」
僕　「えっ？　何がですか？」

あの記憶が、すぐ蘇った。
いつも凛とした姿しか見せない加賀谷さんが１人泣いていた、あの背中。

加　「いいのいいの。。何でもない･･･」
　 　「どぉ？仕事に慣れた？　忙しいばっかりの仕事だけど･･･」
僕　「はい、忙しいですけど…まだ、気持ちばっかりが先行してます。」
加　「頑張った分だけ身になるわ。これからが楽しみね♪」

僕はあえて、あの話題に触れずにいた･･･。



仕事にも慣れ 自分的には いっちょ前になってると思い込んでたある時、
加賀谷さんに飲みに行かないか？と誘われ
断る理由も無く、一緒に飲みに行った。

オフタイムの加賀谷さんは、眼鏡も変えて雰囲気が柔らかくなってた。
（コンタクトじゃ無く、あえて眼鏡っていうのが、またそそる。。。）
飲むピッチがめちゃめちゃ早く、僕は置き去り(笑)
元々弱いのに、負けじとヘロヘロになるほど 飲んだ記憶が･･･

僕　「加賀谷さんってぇ…彼氏とかぁいるんですかぁ？」
加　「う～ん。いるような　いないような･･･」
僕　「なんすかっ！　ソレェ！」
加　「私にも解らないのよ。。。」

そう言って、グラスを持て余すように 飲みクチを撫でた。。。

僕　「俺ぇ～、加賀谷さんの事、なんか気になってるんですよねぇ。。。」
加　「あらまっ、大分酔いが回っちゃったわね(笑)」

軽く流され、相手にもして貰えなかった。
酔った戯言になって行った、自分のセリフ。。。

確かに、少し年も離れてるけど、側に居たいって言うか…
側に居て欲しい･･･って言うか…複雑な気持ちが交錯してた。



僕のあんなセリフは、酔っ払いの戯言か･･････

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