普通業務をこなしても、面白い客に出会う。
『小山直美』
彼女とも、可笑しな出会い。

その日、社用のイベントで着飾った彼女。
大きな荷物を車に積み込み、両手をパーにしたまま乗り込んで来た。

「手は、どうかされたんですか？」
「あっ…これ？(笑)」
「マニキュアをしたばかりで、ちょっと頑張っちゃったデザインで
　　　　　　　　　本番前に取れたりしたら困るから･･･(汗)」
「奇妙で、すみません。。。(^^;」
「はい、了解しました。(笑)」


暫くすると･･･
スマホが 無い無いと慌て出した。
ゴソゴソと荷物を漁り、探し始めた。。。
無い無いと慌てふためく彼女。。。


「あのぉ･･･良ければ僕のスマホから呼び出してみますか？」
「イイですか？　お借りしても・・・(汗)」
「どうぞ･･･。」
着信音を頼りに、スマホ発見。
しかし･･･慌ててゴソゴソ探しまくったモノだから、マニキュアが悲惨な状況に･･･

「あぁ～～、もぉコレじゃ取るしかない～っ」っと半べそ。。。
「お客さん、時間はまだ大丈夫ですか？」
「あのぉ･･･マニキュアの道具なんて ありませんよね？」
「ありますけど･･･。　友達に借りたので返す都合があって持ってます！」

「あのぉ･･･もし、僕で良ければ何とかしてみましょうか？」
「えっ、どうゆうことですか？」
「実は僕、元カノがネイリストで、教えて貰った事があって･･･」
「誤魔化す程度なら 出来るかもしれません。。。」
「ホントですかっ！！　お願い、是非お願いしますっ！！」

車を止め、彼女のマニキュアを直した。
こんな事が、まさか役に立つとは思わなかったけど(^^;
何とか、彼女の希望通りに修復できた。



彼女を無事に送って、翌朝。
見知らぬ電話で起こされた。

「もしもし･･･運転手の春日井さんですか？」
「アタシです！　マニキュア直して貰った･･･」
「あぁ～～＾＾　春日井です。大丈夫でしたか？」
「はい！　おかげさまで助かりました。」
「僕の電話番号･･･そっか！　着信履歴で･･･」
「はい♪　ろくにお礼も言えなくてすみませんでした。」
「いえいえ、たいした事では無いデス。わざわざありがとうございます。」

「今度、お礼したいんですが…」
「いえいえ、そんな事は気になさらずに、また車、ご利用下さい」
「解りました。また何かの時には 春日井さんにお願いします。」

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